常陸國の七つの名神大社は北斗七星〜破軍星を背に

名神大社を結んでできる図形について考えています。

■名神大社を結んでできる図形 2022.07.18

名神大社を結んでできる図形 2022.07.18

 延喜式神名帳に記されているいわゆる式内社のうち、名神大社226社313座ある。
 延喜式は905年から編纂が始まり927年に完成したといわれ、神名帳では当時官社となっていた神社の一覧を知ることができる。(8世紀前半以前に確実に存在していた)
 
 名神大社は古来よりとりわけ霊験あらたかとされ、律令制名神祭の対象となる神々を祀る神社であり、すべてが官幣社・国弊社のいずれも大社に列している。

 名神大社の文献上の初見は続日本紀で730年頃の記載であるが、目的や選定条件、選定理由などについては不明の部分も多く、とにかく謎が多い。名神大社の原形はおそらくもっと昔に遡ると思われる。
 諸国の一之宮など地域の有力神社である例も多いが、名神大社のない令制国もあり、また国によって数の差異もある。古代の官社の中でも特別な存在感を感じずにはいられない。

 そこでまず名神大社の現在の比定社を国土地理院地図にプロットしてみることにした。
① 論社が複数ある場合(日光二荒山と宇都宮二荒山など)
② 創建当時の位置と変わっている可能性(伊豆三島大社など)
③ 上社―下社、本宮―奥宮など二社制、三社制の場合 (諏訪、宗像、赤城など)
などのケースもあるがすべてプロットする。

●印のプロット位置については原則、本殿の位置とした。

名神大社ではないが、参考に一之宮や有力な神社は■印で入力した。

 まず関東甲信越静エリアは名神大社の数は多くはなく、一之宮である神社が多い。

常陸国7社、伊豆国6社、信濃国5社、上野国3社、武蔵国2社

下総国上総国安房国下野国甲斐国駿河国は各一社一之宮となっている。

 常陸国が多いのは古代東国経営の前衛基地だからかと思っていたが各名神大社を線で結ぶと何か特徴的な図を感じた。

静神社―酒列磯前―大洗磯前―吉田神社―稲田神社―筑波山神社鹿島神宮 

七つ

 少々無理して見れば、北斗七星に見えなくもない。そしてアルカイド=破軍星に相応する部分が武神タケミカヅチを祀る鹿島神宮であることに、非常に意図的なものを感じてしまった。

 ミザール=武曲星の位置は筑波山神社であるが、式内社が二座ある(一方は小社だが)のはミザールの伴星…輔星アルコルまで意味しているのではないか。

 そうみると、信濃国の5つの名神大社を結ぶとカシオペヤ座がつくれそうだ。

 上野国の3社と武蔵国の金佐奈神社がケフェウス座に見えてくる。(ただし赤城神社の論社は3つある)

 もちろん西洋の星座の知識がその当時あったのかは証明できないところだが、ここでは古代中国の星官よりもしっくりきた。

 この配置を星図盤で確認すると、夏至の0時頃の北天の夜空が浮かび上がってくる。

 宇都宮二荒山が北極星。日光二荒山の存在はまるでコカブとポラリスの関係のようだ。

 そして寒川神社がこと座のベガに位置する。相模川がちょうど天の川の位置になる。

 次に東海地方に目を向けると、美濃国南宮大社伊勢国多度大社、および尾張国の8つの名神大社を結んでできる図形はオリオン座だ。中国の星官では参宿。

オリオンのベルト、三ッ星は真清田神社―大神社―大神神社

オリオン座大星雲M42の小三ッ星は熱田神宮の摂社の3社を表す。

伊勢国多度大社=ペテルギウス
伊勢国阿射加神社=シリウス
近江国建部大社=プロキオンとみれば冬の大三角形だ。

 オリオンを死に追いやった蠍座のアンタレス(心宿)に対応しそうなのが阿波国大麻比古神社かまたは淡路国伊弉諾神宮。

 異様に数の多い伊予の8つの名神大社、讃岐の3社、阿波の2社、淡路の2社がいて座の南斗六星蠍座に対応しているように見える。

 このように天体の星の位置を地上に投影したものが名神大社(またはその原形となるもの)なのではないか?

 西洋の星座、古代中国の星官、いずれがベースになっているか不明であるが、そのような意図を感じた。

 そして名神大社を結んでできる図形はそれ以外にもあるのではないか?
大鳥神社を要にできる巨大な鳥の図形
・籠神社を含む籠目模様の六芒星
・亀=セフィロトの樹を表す図形
・経線を表す五芒星・一辺180㎞をもつ二等辺三角形

これらについては次回検証していきたい。

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