常陸國の七つの名神大社は北斗七星〜破軍星を背に

名神大社を結んでできる図形について考えています。

■東国の名神大社がつくる図形をモデル化する作業(作図編)

 名神大社プロット図から読みとった神社配置・構成から配置の意図を単純モデル化して作図できないか?
 地図に現れる大きな六角形と五芒星がつくれそうな二等辺三角形。神社がたくさん並ぶライン。なんらかの規則性があるのではないか?ひとまず自分なりに作図してみた。(※ただし2次元上の作図であり球体であることは考慮していない。)

①不動の正三角形~ベンチマークは自然の山

 基準となるのは富士山・立山雄山・日光男体山の頂上の奥宮を結んだ三角形。なんと3つの線分は約170km。まさに奇跡。
 これを不動の正三角形とよぶこととする。
 この正三角形を作図上も基準とする。
 
②黄金三角形~南北軸
 
 作図した不動の正三角形の一辺【日光男体山→富士山】と傾きと長さの等しい垂直二等分線をもつ『黄金三角形』を作図する。

 黄金三角形は2次元上、36°ー72°ー72°の内角1:2:2の三角形。等辺の一方は座標上垂直となるように作図する。

 実際の二荒山ー富士山本宮浅間ー安房を計測すると極めて黄金三角形に近い形となっている。二荒山→安房の方位角181°・測地線長さは182km。
 やはり二荒山ー安房の軸は南北軸(経線)を示すようだ。

③大きな六角形~玄武の亀(亀甲)

 不動の正三角形を基準に線分の長さが2倍となる正三角形を作図。(地図上の【度津ー熱田ー鹿島香取付近】と【気多ー三嶋ー宇奈己呂和気】の二つの三角形)
 
 各頂点を結ぶと正六角形ができる。
 六角形は亀甲だ。玄武のうち亀を表現するのではないか?

④六角形の中の黄金三角形~玄武の蛇は稲妻の大蛇

 地図上の神社の位置を基に、黄金三角形をこの六角形の中に作図していく。たくさんの黄金三角形ができる。そしてジグザグ型を構成しているように見える。

 まるで稲妻の大蛇のようだ。玄武の蛇ではないか?

 神社がたくさん並ぶ、宇奈己呂和気ー三嶋のライン上に【二荒山ー富士山本宮浅間ー安房】の黄金三角形の垂直二等分線が重なるように配置。

 黄金三角形は正五角形を形作るが、その五角形の頂点のひとつが貫前神社に交わる位置に固定する。

A:二荒山―富士山本宮浅間ー三嶋ー安房
B:二荒山ー寒川ー安房ー玉前

 このいずれかが、大蛇の頭ではないかと考える。
 玄武の蛇の頭だ。

貫前神社を中心とした円~円は北天の領域か

 貫前神社彌彦神社を結んだ線分を半径として、貫前神社を円心とした円は描く。
 黄金三角形の頂角は36°なので10個の黄金三角形ができる。
 つまり正十角形となる。
 
 中心の貫前神社から10個の頂点にひいたライン上には神社がありベクトルをつくる。

 この円周上、またはその付近にはたくさんの名神大社がある。
 円は北天の領域をあらわしているのではないか?

 ちなみに正六角形の中心とはずれる(正六角形の中心は地図上、軽井沢付近)ため、度津、宇奈己呂和気、三嶋、熱田、気多は作図した円の外側となる。
 
 
【まとめ】

 神社の配置には規則性がある。

 実際の地図上とのズレももちろんあるのだが、単純化することで意図的な何かを感じることができた。

 名神大社および一之宮(名神ではないもの)は星座を地上投影したもので、東国においては夏至0時の北天を表すのではないか?

 そしてあわせて、正三角形からつくる亀甲と黄金三角形がつくるジグザグ型・稲妻型は玄武の蛇を表現し、玄武を北天の空に重ねようとしたのではないか?

 玄武は北方の守護である。

 古来より続く信仰があったのは間違いない。それは古墳時代弥生時代、さらには縄文時代より続くプリミティブなものであった。その根源的なものはおそらく今も引き継がれているだろう。
 しかし社殿を擁する神社がいつ頃形成されてきたのか?国家の祭祀へと体系化されてきたのか?名神大社とはなんなのか?
 謎が多いのも事実である。
 それらを考える上で、神社の配置でできるこの様々な図形がひとつのヒントに繋がらないだろうか?

 

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