常陸國の七つの名神大社は北斗七星〜破軍星を背に

名神大社を結んでできる図形について考えています。

神社配置の基準線

古代。天子は天からのメッセージに忠実に従う必要があった。
 
古代中国において常に注意深く天体を観測し政治を行っていた。
 
十二次や二十八宿を地上の国々に充てる『分野説』もその一つの形だったのかもしれない。(天の地上投影)
さて、日本には驚くほどの長い歴史をもつ古社が現在も数多存在し国や人々の安寧を守っているが、その発生は割と謎のベールに包まれたままだと思う。
 
自然への畏怖・崇拝や祖霊への祈りを起点とし、おそらく弥生・縄文と遡るのは間違いないだろう。そしていつしか社殿が造営されるようになり、伊勢の『神宮』を頂点とするヒエラルキーに組み込まれていった。
 
大和の王権を中心に、各地方にもフラッグシップ神社ともいうべき立派な社殿をもつ神社が必要だったことも想像に難くない。
確かに出雲のオオクニヌシ天津神に要求していた。
 
延喜式神名帳に記載されている『名神大社』は古来より特に霊験あらたかな特別な神社とされるが、これについてもやはり謎が多い…というか詳細な資料があまり存在していないようだ。
 
名神とはなんだろう?ほかの神社との違いは?
 
そこで名神大社、論社を含めすべて現在の本殿の位置を国土地理院地図にプロットする作業を行ってきたのはこれまでの投稿の通りである。
地域の一之宮も重要だと考え、名神ではないが式内社である一之宮も■印でプロットし加えた。
 
そしてどうやら距離や角度に規則的なものがあるのでは?と思い始めた。
 
①神社間の距離が約160~180kmのパターンが多いこと
 
二等辺三角形を作るケースが多いこと
 
③その180kmを半径とした円をいくつか描き、それを10等分するベクトル上に神社が多いこと
 
④そしてその配置が星座・星図のようにみえること
 
これらを念頭に、改めて円を10等分するラインを方位など意識しながら線を引いていくと神社の配置から列島を繋ぐ多数の『黄金三角形』が導きだされた。
円の中心となる神社は群を成しており、天の『特徴的な星座』を描き、まるで列島を一枚の星図で表すかのように配置されている。
 
基準線は円と十等分線~正十角形だった。
 
東国は北天を。
東海以西は黄道の星座。
(二至二分点…たとえば伊予国名神大社が構成するのはいて座の一部、つまり斗宿であり、南斗六星と呼ばれ、冬至点付近の星座である。)
 
ところで正十角形は正五角形や黄金三角形のベースでもあるので、正五角形の特性である五本の辺・五本の対角線(五芒星となる)はそれぞれ長さが等しくなることや黄金三角形の内角比1:2:2などを活かせば測量上もかなり有用ではないか?
また円の中心からのベクトルで方位角と距離から、球面上であっても位置を求めやすいように思う。
 
具体的な手法については今後も探究を続けていきたい。
これまで神社が描く図形について様々検討してきたが、その根底にある思想は古来から脈々と続く伝統的な信仰に、陰陽と五行が密接にそして深く混合されたものだと考える。蓬莱山や扶桑樹など神仙世界への憧れも感じる。
 
北天には玄武。
黄道~南の空には朱雀。
さらにさまざまな図像が重なり地上に投影され、
日本と人々を守り続けている。